「わかっている」というエゴが自分を苦しめる
(2022年7月 ブログ投稿)
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~誰かが必死になって
「わかっているけど、できないんです」
と訴える時、
それは、実際には
「わかっていないことを受けいれられずにいる」
ということである~
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こんにちは。
冒頭からシビアな記述ですが、
今回は
「わたしはわかっている」というエゴについてのお話です。
これは、心の本質や、スピリチュアルなことを学んでいく中で
起こりがちな現象でもあります。
学んでいくと、頭では知識を色々と詰め込んできて、
「そういうことか、わかったぞ」
と思えてくる時期ってありますよね。
残念ながらそこが「ワナ」でもあります。
「私はもうそれはわかっている」
というエゴが増大してしまうからです。
その状況にいると、
「わかっている」はずなのに、「できない」、
ということが起こります。
そして葛藤することになります。
「なんでできないの、わかっているでしょ」と、
自分にプレッシャーをかけてしまい、
焦ったり、イライラしたり、できている人に嫉妬したり、
果ては体調不良に陥ることもあります。
(自分でプレッシャーを与えていることに気づけず、
血圧が上昇し、動悸が激しくなってしまったというケースも…(苦笑))
シビアな物言いになってしまいますが、
それはシンプルに
わかっていない
ということなのです。
もし、本当の意味で腑に落ちて理解して受け入れているのであれば、
「わかっているのにできない」
という現象は、起こりません。
できるとかできないとか、
わかっているとかわかっていないとか、
そういうことをこねくり回す必要もなく、
ただそのまま自然にできるようになっている。
それが、本当の意味で「わかった」ということです。
(座り方はわかったニャ)
自転車に乗るのと同じです。
自転車に乗れない人でも、頭では乗り方はわかっていますよね。
こうやってこうすれば自転車に乗れる。
わかっているので、できるつもりになっていたとします。
でも、実際にやってみるとすぐにはできません。
それは「わかっている」というよりも、
ただ「(乗り方は)知っている」というだけのことで、
体で理解し、習得したわけではないからです。
別の例でお話ししてみましょう。
例えば、「ネガティブ思考」が癖になっている人がいたとします。
その影響で自分に自信がなく、
常に自分は損をするし、自分の人生はうまくいくはずがない、
と思っています。
そこでカウンセリングを受けたり、自分で勉強したりして、
ネガティブ思考の癖を手放す必要があるとわかりました。
そのためには、否定的な思いが浮かんだら、
それを「本当はどうだったら良いのか」という方向に考え直し、
「本当はどうしたいのか、どうだったらいいのかにフォーカスするようにすること」
と教えられました。
その話自体は理解でき、
「そうだよな」と共感することもできたので、
自分はもうそれはわかった(だからできる)と思い込みます。
頭で知った段階で、人は「わかった」と言うからです。
ところが、当然ですがうまくできません。
わかったはずなのに、とイライラしだします。
ついには「なんでうまくできないの!!」と、
自分を責めるようになってしまいます。
(ちゃんちゃん♪)
(あ~あ、
そんなにすぐにはできないよねぇ。。。)
このブログを読んでくださる方は、
心の問題に興味がある方たちですので、
ブログを読むたびに
「そうだよね」「そうなんだよね」と思うことが多いと思います。
でも、「そうだよね」と共感したからといって、
それですぐにできるわけではないことは、
よくよくご存じだと思います。
本当にわかっている人は、
そんなにすぐには結果がついてこないことを知っているからです。
それは、
自分のコアに関係する問題であればあるほど、
長年生きてきた中ですっかり染みついた「癖」を
大転換しなければならないから。
自分がやろうとしていることの本質を本当に理解できていれば、
忍耐強く練習して、セルフコントロールをしていかなければ結果が出ないことを理解できます。
しかし、
頭でただ「知った」「知識を得た」だけの状態では、
そこを受け入れることができません。
なので、「うまくいかない」とイライラすることになります。
少し前に『四つの約束』について書きましたが、
四つの約束を知ることはすぐにできますよね。
しかし、実践できるようになるには、
それを「やるんだ」と決めて「やり続ける」しかありません。
そう思ってもうまくいかないことばかりです。
うまくできるかどうかは、
自分の潜在意識下で、
新しい考え、新しい行動のパターンを受け入れられるかどうか
にかかっているからです。
「わかっているのにできない」と訴える場合、
「だって私は今までこうだったんだから、どうしてもそうなってしまう」
「これだけ辛い思いをしてきた、苦労してきたんだから、
全く違う考え方があるなんて、なかなかそうは思えない」
⇒だからできないのは仕方がない
というもっともらしい理屈を言いますが、
そう思っているのだとしたら、
やっぱりそれは「まだわかっていない」ということなのです。
わかっていたら、そんな言い訳はしないからです。
でも、「まだわかっていない」ということを、
それほどまでに否定したりダメなこととして、
自分にわざわざ「烙印」を押す必要はないのです。
「まだわかっていない、知っているけれどもできない」というのは、
悪いことでもダメなことでもない、ということです。
それはただの「プロセス」です。
そもそもそういう刷り込みから逃れられないのが問題であるといえます。
そしてそれは、
誰にでも当たり前に起こることである、ということ。
私も含めて、
誰でもそうやって少しずつやり続けるしか、道はありません。
みんなそんなに簡単には、
今まで守ってきたもの(考え方、行動パターン)を捨てられないからです。
強固な思い込みと抵抗がより強い人ほど、
「できるだけ早く変化が起きてほしい」
という思いが強い傾向にあります。
「自分はそれくらいできるはずだ」というエゴも強いからです。
そのため、思うように結果が得られないと、
すぐに落ち込んだり自分を責めたりし始めます。
待てないのです。
もちろん、辛いからなのはわかるのですが、
おいしいカレーを食べたかったら、
手順通りにカレーを作らなければならないし、
その手順を上手にできるようにするには
何度も練習して、
少しずつ上達することに対して忍耐力を持たなければなりません。
自分を変えるために大きな変化を引き起こす必要があるならなおさら、
それだけ時間とプロセスがかかるし、
忍耐力と繰り返しが必要なのです。
もちろん、本当に「変わろう」と思うことさえできれば、
自分のエネルギーも、自分を取り巻くエネルギーも、
「一瞬で変わります」。
でもそのためには、
それを心の底から「受け入れて、採用する」ことがなければなりません。
例えば、
「世界は私の見方だ」と本当に思うことが出来さえすれば、
一瞬であなたの世界はそうなります。
でも、そもそもその考えに対して
100%信頼することができていなければ、それは起きません。
100%受け入れられるようになるまでに、私たちは時間がかかるのです。
頑固であればなおさらです。
「私はこれだけ辛い思いをしてがんばってきた」
というエゴにしがみついているならなおさら、
「なかなかうまくいかない」
ことで、その想いを正当化できます。
そうであれば、
そんなにすぐにうまくいかないのは、仕方がないことなのです。
(まぁちょっと、昼寝でもしなよ)
こういうことで悩む方は、一生懸命頑張っていることは間違いありません。
本当によく頑張っています。
だからこそ、なかなか受け入れられないのもわかるのですが、
私は追い詰めようとして言っているわけではないのです。
「わかってるのに!!」と言い続けるのは、
「本当はわかっていないんです、わかりたくないんです」
と言い続けている、ということである、
(発している言葉とは裏腹に)
ということを理解することが、
その苦しんでいる状態から抜け出すために必要だからなのです。
病状が深刻な人ほど、
すぐに良くなりたい、すぐに結果が欲しいと訴える傾向にありますが、
それと同じで、
なかなか自分の思考を転換することができない人ほど、
「早く変えたい」と訴え、すぐに変化が出ないと不満を漏らします。
そして
「わかっている」
「(わかっていないことも)わかっている」
と言い続けてしまいます。
「わかっている」というエゴにしがみついているうちは、望む変化は起こりません。
まず受け入れなければならないのは、そのエゴなのかもしれません。
私たちはみんな、そんなに大した人間ではないのです(笑)
「うまくできなくて当たり前」
と思うことができていれば、
そもそもうまくいかないことでイライラしたりはしません。
「できるようになるには時間がかかる」
ということを受け入れられていれば
「なんでできないんだろう」とモヤモヤすることもありません。
「思うようにならないこともある」
と受け入れられていれば、
「思い通りにならない」と腹を立てることはないのです。
なかなかうまくできないな、
でもそういうものだから、少しずつやろう、
それでいいんだ
にんげんだもの
そういう風に考えられるようになることが大事です。
頭でわかっていることと、
実際にそれを受け入れて腑に落とせることは
全く別のことであることを知りましょう。
そして「できない自分」を責めないことです。
「わかっているのにできない」と思ってしまったら、
ただ「やる」と心に決めましょう(何度でも)。
ただ、
「自分は新しい考え方を採用し、新しいステージに行く」
と唱え続けること。(何度でも)。
できるかどうかは関係ありません。
ただただ、それを唱え続けること。
必要なのはそれだけ。
そして「そんなにすぐにできなくて当たり前なのだ」
と自分に言ってあげてください。
余計なプレッシャーからは離れることができ、
その分自分のエネルギーをよりポジティブに使うことができるようになりますよ。