失敗を避けようとするエゴ
(2022年6月 ブログ投稿)
以前に「失敗を続けようとするエゴ」というお話を書きました。
今回はその逆、
「失敗を避けようとするエゴ」についてお話しします。
こうでなければならない
こうであるべき
最低限、こうでないとダメ
というような思いが強い人は、
「失敗」「成功」の基準が厳しく、
なかなか満足することができない傾向にあります。
「合格基準点」が高すぎることが原因なのですが、
本人は「それ(その基準)が当たり前、当然だから」と、
頑なにその基準を下げようとしません。
もちろん、
それで困っていないなら良いのですが…。
頑張っている人ほど、
周りにも自分と同等であることを求めてしまい、
自分の価値基準を押しつけることになります。
それを「主張できない」場合も多いです。
主張ができないと、当然ですが内側で不満がどんどん募り、
イライラも増すことになります。
ある程度主張ができたとしても、
周りにはそれを理解してもらえなかったり、
受け入れてもらえなかったり、
いつまでも自分が思うような結果は得られなかったり。
そうなると、
「どうしてわからないの」
「どうしてできないの」
と、心の中で相手を責めるようになります。
口でははっきり言わなくても態度でにじみ出るようになるので(笑)、
当然ですが人間関係はうまくいかなくなります。
「自分の考えが正しいはずだ」
という考えが基準になっているので、
その勢いは止まりません…(苦笑)
仕事の場合などは特に、
「これでは周りに迷惑がかかるではないか」
「顧客に対して申し訳ないではないか」
というような思いになっていきます。
ここでやっかいなのは、
これにより、
自分の思いを「正当化」することができてしまう、
ということ。
結果に「第三者」を巻き込んでいるからです。
※他人(第三者)に迷惑がかかるから、という思考は、色々と「キケン」です(+_+)
確かにそうかもしれません。
あなたの思うように、周りの人たちの頑張りは、
あなたに比べると「足りていない」のかも、しれません。
でも、
それによって腹を立てたり、怒りが湧いてくるのは
頑張っていない相手の問題ではなく、
腹を立ててしまう自分自身の問題である、
失敗してはいけない
失敗は許されない
これくらいできるのが当たり前
(私が考える)合格点以下の出来では恥ずかしいし、周りに失礼、周りに迷惑である
そんな考えに縛り付けられているならば、
それはあなたが厳しく育てられたり、
高い要求を必死でこなして生きてきた証でもあります。
そうやってずっと頑張ってきて、
その結果を評価してもらうことで生きてきたので、
自分と同じくらい頑張ること、自分が考えた合格ラインが
「最低限(必要)である」と思ってしまっています。
するとそこに到達していない人がいると腹が立ってくるのです。
でも「がんばり」って、万人に共通の数値では表せませんよね?
その人の100%の頑張りは、あなたの50%かもしれなくても、
その人は間違いなくがんばっているのです。
(そう見えなくても)
「頑張っていない」と決めつけてしまうのは、こちらの勝手な思い込み、です。
ベストは人それぞれ違う、という話と同じです。
(過去記事を参照のこと)
もしこれを納得できないのであれば、
自分が考えた個人的な「基準点」を、
周りにも押し付けてしまっていることになります。
「基準点」は人それぞれ違うはずなのに。
理想は大事ですし、目標値が高いのも素晴らしいことです。
そこに向かって努力するのももちろん素晴らしいことです。
しかし、他人にそれを押し付けてしまうと、
実際にはうまくいかなくなるだけでなく、自分をどんどん追い詰めていくことになります。
『自分は正しいのに、ちっともわかってもらえない』
というエゴを増大させることになってしまいます。
でも、「わかっていない」のは、あなたの方かもしれません。
いわゆる「デキる人」は、他人に厳しいのです。
でも、「本当にできる人」は優しいんですよ(笑)
本当にできる人は、自分を認めることができているので、
他人に自分の基準を押し付けることはありません。
周りを自分の価値基準に巻き込もうとするのは、
自分に自信がなく、自分を肯定できていないからなのです。
自信がないので、
自分が設けた基準が『そもそも高すぎる』ことを認められません。
『この程度は最低限』ということにするので、
『こんなこともできないの?ダメじゃん』
と、自分に対しても、周りに対しても、ダメ出しをし続けてしまいます。
自分がこんな風にがんじがらめになっていることに気づいたなら、
思い込みに気づき、手放すこと。
失敗って、そんなにダメなことでしょうか…?
失敗は誰でもするものですよね。
そして私たちは、失敗をしながら成長するものでもあります。
そしてさらには、
それが「失敗」なのかどうか、
ダメなことなのかどうか、
それは誰にもわかりません。
それはもしかしたら、
次のステップへの大事な布石かもしれないのです。
そうであれば、
それは失敗とは言いません。
いつまでも何度も失敗するのだとしても、
それをどうするかを学ぶのは、その人の問題です。
あなたがイライラしてしまうのは、
「その人が何度も失敗するから」ではないのです。
思考を柔軟に、
そして自分を自由にしていきましょう。
自分の考えを尊重してほしいなら、まずは相手の基準を尊重しましょう。
受け入れてほしいならまず受け入れること。
それが大前提です。
自分が「これではダメだ」と思い込んでいることに対して、
「それがダメなわけではない」
と、一旦考え方を切り替えてみましょう。
あなたをがんじがらめにしてきた「その基準」は、
かつてのあなたには役に立ったのかもしれませんが、
今も有益であるとは限りません。
「それが正しいとは限らない」ことを受け入れていくことが大事です。
その思考によって空回りしているのだとしたら、
今はもう手放してもいいものかもしれませんよ。
(軽やかに)